利用者の食事介助の方法

介護施設やデイサービス事業所などで認知症の利用者の食事介助を担当する場合には、相手のリズムに合わせて無理強いをしないのはもちろん、個々の利用者の認知症の症状や、性格、食事の好みなどを正確に把握することが大切です。特に、症状が重い利用者については、なかなか食事が進まなかったり、食事拒否をしたりすることもあるため、臨機応変に対応できるよう日ごろから様々なスキルを磨く必要があります。また、嚥下能力が低下している高齢の認知症の利用者は、食事の誤嚥などのリスクが高くなる傾向があるため、時には管理栄養士や看護師などの専門職のサポートを受けることも大事です。認知症の利用者に対する食事介助に関する知識や技術を習得できるまでにはある程度のキャリアが必要となります。そこで、将来に向けて働きながら頼りになる先輩や同僚などにフォローをしてもらったり、担当の利用者に対する意見交換をしたりすることも重要です。

各地の介護事業所の中には、個々の介護職員が認知症の利用者に適切に食事介助ができるようになるため、定期的にミーティングや研修会を開いたり、外部の専門家を招いたりしているところも少なくありません。そうした中、少しでも食事介助のスキルを高めたい人は、業務の合間に有意義な内容の研修を受けられる職場を見つけることが肝心です。なお、経口で食事を摂取することが難しい利用者が多い職場においては、経管栄養や栄養点滴などの方法について、様々な機会を通じて学ぶことが重要です。