認知症で多く見られる症状と有効な対策

後期高齢化が進む日本では、加齢に伴って認知症を患ってしまう人の数も増えてきています。認知症とは何らかの病気が原因で起こる記憶障害のことです。認知症を患った人にはいくつか共通する行動があって、その一つが食への欲求です。記憶に障害がある認知症患者は、数時間前に食事をしたことを忘れてしまって食事を要求することがあります。人によっては記憶障害が原因ではなく、疾患によって食欲が増しているケースも少なくありません。本来であれば食事は済ませているので食べさせる必要はありませんが、本人が自覚していないため説得をするのは難しいのが実情です。中には説明に納得が行かずに隠れて勝手に食事をしてしまうこともあるので、空腹を訴えた場合はパンなど体への負担が少ない物を与えて納得させることが重要になります。

食事と共に気を付けなくてはいけないのが盗難や物損の訴えです。症状が進行してしまっている認知症患者は被害妄想に陥りやすく、唐突にお金や物を取られたと感じて騒ぎ立てることも珍しくありません。家族が見舞いに訪れた時に盗まれたと訴えたことで、誤解されてトラブルになることもあるので注意が必要です。前述した食事と同様に、自分の中で盗まれたと思い込んでしまっているので、納得させるのが難しいとされています。この時に安易に否定をしてしまうと余計に問題が大きくなってしまうため、上手に会話の流れを別の方向に持っていくのがコツです。患者が信頼できる人に仲裁に入ってもらうのも有効な手段になります。